1月31日週の資金調達
1 フィリピンのYGG向けデジタルアセットメーカーが10億円調達 2 マルチプレーヤーVRゲームが12.4億円調達 3 シンガポールにてCrypto投資アプリが5億円調達 など合計15件
SEQUOIA CAPITAL
①Smiles.ai / インドにて歯科治療のオンラインプラットフォームを提供 B2C ヘルスケア
2,300万ドル(約23億円) シリーズA
モバイルでの遠隔モニタリングシステム、製造側の統合、経験豊富な歯科医師により、高品質のインビザライン治療を提供している。
注目のポイント:インドの歯科医療業界は、前年同期比で20%成長しているにもかかわらず、ほとんどが個人医師で技術の更新がされていなかった。一方で、インドでの可処分所得の増加、ミレニアム世代の台頭により、オンラインプラットフォームのニーズが生まれていた。
②Flint / シンガポールにてCrypto投資アプリを開発 B2C Crypto
510万ドル(約5.1億円) シリーズSeed
注目のポイント:Cryptoブームにより多くの人が投資を始めたが、まだツールは多くの前提知識を必要としており、煩雑であった。FlintはユーザーのためにUXファーストのアプローチをとり、簡単な体験を構築できるよう努めている。
③ScanPay / インドの中小企業向けモバイル決済アプリ B2B フィンテック
金額非公表 シリーズSeed
アクセラレーターのSurgeでの投資。中小企業がモバイル決済を受け入れることができるようにしている。
注目のポイント:インドには6,340万もの中小企業があり、GDPの30%を占めると言われている。一方で、インドはモバイル中心のネット社会であり、それに対応した決済端末が求められていた。
④Darwinbox / インドにてクラウドHRソフトウェア提供 B2B HRテック
7,200万ドル(約72億円)調達 シリーズD
注目のポイント:パンデミックの影響で、インドのエンタープライズにおけるDXの必要性が増加し、HR領域においてDarwinboxがリードしている。
⑤GrowthSchool / スキル獲得のためのメンターマッチング B2B Edテック
500万ドル(約5億円)調達 シリーズSeed
20万人のユーザーに対し、プログラミングやCryptoなどのコースを提供。メンターの80%がGrowth Schoolに投資している。
注目のポイント:2021年に、インドのedテックスタートアップは約4,700億円調達したが、それらの多くは子供やテスト対策に向けたものが中心となっていた。一方で、卒業後ができても仕事のためのスキルが身についていないという課題があり、GrowthSchoolはそれを解決しようとしている。
⑥ChistaDATA / ClickHouseのインフラを提供 B2B ビッグデータ
300万ドル(約3億円)調達 シリーズSeed
オープンソース化されたClickHouseサーバーをはじめ、エンタープライズグレードのソリューションやDevOpsに対応したオーケストレーションツールの開発を予定。
*ClickHouse: オンライン分析処理のためのオープンソースのデータベースマネジメントシステムで、ユーザーはSQLクエリを使ってリアルタイムに分析レポートを作成することができる。
注目のポイント:近年、ビッグデータ解析の需要の高まりとともに、クラウドデータウェアハウス(CDW)に対する需要が高まっていた。一方で、CDWはクローズドソースであり、所有コストが高くことや、ベンダーへの依存などの課題があった。ClickHouseはオンプレミスとクラウドの両方に対応することでこの課題を解決した。
⑦Tongxin Medical Equipment / 磁気浮上式の人工血液ポンプを製造 B2B ヘルスケア
1億ドル(約100億円)調達 シリーズD
中国で独自に開発した心室補助装置(VAD)の臨床研究と商業化を推進している。
注目のポイント:心不全による死亡者数は20年前から倍増しており、全世界の死亡者数の3分の1を占めていると言われている。有効な治療手段がなかったところに人工心臓の研究が進み、Tongxin Medical Equipmentが商業化を実現しようとしている。
⑧CaptivateIQ / コミッション設計プラットフォーム B2B ソフトウェア
1億ドル(約100億円) シリーズC
YC alum。企業がカスタマイズされた販売コミッションプランを設計ためのノーコードのプラットフォームを開発。昨年4月に約46億円調達していた。
注目のポイント:これまで、コミッション管理は収益に直結する重要事項であるにもかかわらず、手動で不透明でエラーを起こしやすいスプレッドシートと、コストのかかるレガシーソリューションという、2つの最適ではない選択しか存在しなかった。CaptivateIQはノーコードで使いやすい形にすることでこのニーズを獲得した。
Founders Fund
①PortalOne / ノルウェイにてクロスプラットフォームゲームの開発 B2C Game
6,000万ドル(約60億円) シリーズA
注目のポイント:近年、Fortniteの台頭によりクロスプラットフォームが人気になっていること、さらにメタバースの台頭によりゲームとエンターテインメントの境目が曖昧になっている中で、PortalOneはそれらを一つの場所で行える空間を作ろうとしている。
②Vest / ラテンアメリカ人が米国株式市場に投資できるプラットフォーム B2C フィンテック
600万ドル(約6億円) シリーズSeed
ラテンアメリカに住む人が手数料ゼロで米国株式への投資が可能なモバイルファーストのアプリ。Kavakの創業者やTiger GlobalのScottがエンジェルとして参加。
注目のポイント:これまで、ラテンアメリカで米国株式に投資するアプリも存在したが、取引可能なものが限られていた。Vestは、米国の証券会社として、必要な現地ライセンスを取得し、グローバルな株式を提供することができるようになった。
③Supermove / 引越し業社向けプラットフォーム B2B 運送
1,800万ドル(約18億円) シリーズA
引越し業社に、バーチャルウォークスルーからの見積もり、電子サイン、決済サービス、配車管理などの機能をワンストップで提供。
注目のポイント:これまでDX化が遅れていた引越し業界だが、コロナの影響で引越しニーズが増加する一方、感染防止の観点から自宅訪問での見積もりができないなど業務フローを変更する必要にも迫られていた。この課題をSupermoveが解決している。
④Inventa / ブラジルにて小売店向け商品のディスカバリープラットフォー B2B コマース
1,800万ドル(約18億円) シリーズA
注目のポイント:これまで、小規模の小売店は商品の発見や信用の確保が難しく、魅力的な商材を確保しづらいという課題が存在した。
ANDREESSEN HOROWITZ
①Inventa / ブラジルにて小売店向け商品のディスカバリープラットフォー B2B コマース
Founders Fundで上述。
②Supermove / 引越し業社向けプラットフォーム B2B 運送
Founders Fundで上述。
③Venta / 住宅ローンインフラを構築 B2B フィンテック
3,000万ドル(約30億円) シリーズA
融資プロセス全体を簡単かつ透明性の高いものにするため、銀行、信用組合、モーゲージバンカー、ブローカーをつなぐ住宅ローン組成ソフトウェアを開発。
注目のポイント:2022年のローン組成額が2兆5,900億ドル以上と言われているが、従来のプロセスは煩雑で、クロージングまでの時間が長くなったり、手数料が高くなることがあった。その課題をVentaは解決しようとしている。
④Alta / マルチプレーヤーVRゲームを開発 B2C VR
1,240万ドル(約12.4億円) シリーズA
注目のポイント:VR市場は、2020年の26億ドルから、2023年には50億ドル以上に達すると予測されている成長市場であるが、キラーコンテンツがないとしばしば批判されてきた。2021年、Metaが改名したように、各社メタバースそのものをVRを利用するためのコンテンツにしようとしており、Altaも他のメタバースと提携を行うと考えられる。
⑤BreederDAO / フィリピンのデジタルアセットメーカー B2B ゲーム
1,000万ドル(約10億円) シリーズA
YGGなどのギルド向けにAxieなどのゲームNFTアセットを作成(繁殖)、提供している。
注目のポイント:近年、Cryptoゲームへの需要が、NFTアセットの供給を超えており、YGGのようなギルドが資産を貸し出しているプレイヤーは、Axie Infinityが獲得した約300万人のデイリーアクティブユーザーの2%にも満たず、まだまだ成長の余地があると言われている。NFTアセットの生成はAxieなどのゲームでは主に繁殖作業によって行われるが、良いアセットが出る確率や作業の最適化をすることで、ギルドの収益を最大化させることができる。