4月12日週の資金調達
1 インドのミレニアル世代向け投資アプリが83億円調達 2 メキシコの中古車マーケットプレイスが485億円調達 3 プログラミング学習及びメンタープラットフォームが4億円調達 など合計11件
SEQUOIA CAPITAL
①Groww / インドのミレニアル世代向け投資アプリ B2C フィンテック
8,300万ドル(約83億円) シリーズD
昨年9月にシリーズC調達。当時ユーザーが800万人だが、半年で1,500万人まで増加した。
注目のポイント:市場であるインドでは、国内の中間層は2030年には9.6億人となり、2010年と比較し倍増すると予測されている。Sequoiaは、インドの個人投資家向けプラットフォームSmart Technologiesにも出資している。
②Dingdong Maicai / 上海の生鮮食品配達アプリ B2C プラットフォーム
7億ドル(約700億円) シリーズD
過去の販売データに基づき将来の注文を予測している。今年中に米国でのIPOを検討していると言われている。
注目のポイント:市場である中国のオンライン生鮮食品分野は、2025年までに1,970億ドル(約19.7兆円)に達する可能性があるといわれており、投資家の注目を集めている。
③Cred / インドのクレジットカード管理アプリ B2C フィンテック
2億1,500万ドル(約215億円) シリーズD
昨年11月にシリーズC調達。クレジットカードユーザーに対し、決済トランザクションの度にポイント)提供。ポイントは、提携するパートナー企業のサービス内で利用することができる。600万人のユーザーが利用している。
注目のポイント:レンディング市場に占めるオンラインの割合は、2018年に23%から、2023年には48%まで成長するとされており、それに応じてCredの需要も増加すると見込まれている。
④Pendulum Therapeutics / マイクロバイオームの治療法を開発する製薬 B2B 製薬
5,400万ドル(約54億円) シリーズC
体内に自然に存在するマイクロバイオームから原料を調達し、安全性と有効性を厳密にテストしている。
注目のポイント:Sequoiaは米国と中国の製薬企業に投資を行っている。しかし、中国では、臨床CROのdMed、腫瘍や免疫のD3Bio、遺伝子操作ワクチンのRecBio、抗体治療薬のTranscentaが100億円以上の調達を行っており、調達額においては差が生まれている。
⑤CaptivateIQ / コミッション設計プラットフォーム B2B ソフトウェア
4,600万ドル(約46億円) シリーズB
注目のポイント:リモートワーク に伴い、従業員の結果に対するインセンティブ設計をより明確にするニーズが生まれている。昨年12月、株式報酬の算定と管理を提供しているPaveが1,450万ドル(約14.5億円)調達したが、CaptivateIQは営業マンの報酬に特化している。
FOUNDERS FUND
①Kavak / メキシコの中古車マーケット B2C マーケットプレイス
4億8,500万ドル(約485億円) シリーズD
ラテンアメリカのスタートアップの中で評価額でTOP5に入った(40億ドル)。金融部門を通じて独自のファイナンスを提供し、メキシコとアルゼンチンにて20の物流・リコンディショニング拠点をもつ。
注目のポイント:これまでラテンアメリカでは、中古車取引の90%が個人間で行われ、40%の詐欺率となっていた。その問題をKavakは解決しようとしている。
②Ramp / 経費削減のための法人カードを提供 B2B フィンテック
1億1,500万ドル(約115億円) シリーズB
取引量は年間10億ドル。独自に開発した購買コスト削減ツールにより、1,000万ドル以上のコスト削減をもたらしている。
注目のポイント:これまで法人カードの作成には時間がかかり、設定方法も複雑という課題があった。Rampはそれらの課題の解決に加え、自動での経費削減も提供している。
ANDREESSEN HOROWITZ
①Firefly Health / バーチャル・プライマリー・ケアプラットフォーム B2C ヘルスケア
4,000万ドル(約40億円) シリーズB
パッケージ化された医療保険をもとに、バーチャルまたは対面で継続的な診療を提供する。
注目のポイント:これまで、医療費の80%以上は慢性疾患や行動上の問題が占めており、継続的なケアと行動改善が求められていた。Firefly Healthはその課題を解決しようとしている。
*アメリカでは、加入している保険により受診できる医療機関が異なる。(医療保険と医療機関が提携。)
②Formation / プログラミング学習及びメンタープラットフォーム B2C 教育
400万ドル(約4億円) シリーズSeed
パーソナライズされた講義と、FacebookやGoogleなどの社員による「一流メンターのネットワーク」へのアクセスを組み合わせたリモート・フェローシップ・プログラムを提供。
注目のポイント:これまでのブートキャンプ(プログラミングスクール)には、一流のエンジニアになるためのスキルセットに対応できていないことと、卒業後の就職率が悪いという2つの問題があった。Formationはそれらの課題を解決しようとしている。
③Mem / ノートアプリ B2C ソフトウェア
400万ドル(約4億円) シリーズSeed
ユーザーが思いついたことをすぐに書き留められるようにすることを目的としたアーリーアクセスのプラットフォーム。
注目のポイント:近年、ノートアプリでは、Notionが20億ドル、Codaが6億3,600万ドル、Roamが2億ドルの資金調達を行っている。その中で、Memはいずれのデバイスでも瞬時に呼び出せることで差別化を行っている。
④Plaid / フィンテックの開発ツールを提供 B2B フィンテック
4億2500万ドル(約425億円) シリーズD
デジタル化された金融システムの開発に必要なツールとアクセスを企業に提供。昨年1月、Visaが53億ドルで買収することに合意していたが、連邦規制当局が合併の阻止を訴え、解消された。
注目のポイント:パンデミックにより、あらゆるお金のやりとりがオンラインで行われるようになり、Venmoなどのフィンテックプロダクトの需要が爆発的に増加した。Plaidはそれらに開発ツールを提供している。